哨乳類も、実は卵から生まれる

これは人間以外の卵を考えてもらうとすぐ分かります。ニワトリの卵は有精卵であろうが無精卵であろうが、かたちも中身も変わりません。有精卯のほうが栄養があるともいいますが、卵の栄養は受精しなくても完成しています。魚はたいてい体外受精です。メスがパァッと水中に卵を放出し、それにオスが精子をふりかけます。

ニワトリも魚もカエルも、体内受精であれ体外受精であれ、みんな精子からはDNAの半分をもらうだけで、卵の中だけの栄養でヒナやオタマジャクシが大きくなって、照化します。外に出るまではメスの生んだ卵の栄養だけで染色体を合成し、細胞分割し、成長・成熟します

ヒトの卵も同じようなものです。受精した後、卵の殻から飛び出すまでは、この卵の中のものだけで主なエネルギーを生産し、染色体をどんどん合成し、細胞分割して、成長していくのです。

ただ、硬い卵の殻に覆われているわけではないので、体液中で乾燥しないように守られていなければなりません。
意外に知らない人が多いのですが、ヒトもまた烏や虫と同じように僻化もします。ハッチング(僻化)といって、ちゃんと殻から飛び出すのです。

正確には透明帯という膜ですが、照化できないヒナや魚がいるように、人間の卵でも殻が固かったりして僻化できずに妊娠に至らない卵もあります。私たちは小学校時代から、ヒトは噛乳類であるとして、卵で生まれる動物とそうでない動物とに分けて教えられます。でも生物としては、浦乳類もやはり卵から生まれるのです。

いい卵だけが妊娠に結びつく

ヒトと他の動物の卵の違いは、受精してからの道のりの険しさでしょう。

皆さんのイメージでは、〃卵″というとニワトリやウズラの卵の感覚で、受精したら、即ヒョコが生まれる感覚です.学校教育でも、精子が卵子にたどりつくと、受精の後すぐ着床にいってしまいます.「受精したら8割9割は妊娠」に近い感覚です。

でも卵が受精して受精卵になっても、妊娠に結びつくわけではありません。妊娠までいくのはいい卵だけです。

体外受精や顕微授精では、人工的に卵子を取りだして、そこに精子を振りかけたり、あるいは顕微鏡下で精子を1匹卵子に注入したりします.でも精子が入ったからといって受精現象が起こるわけではありません.受精したかどうかは、翌日前核を観察して初めて分かります。

卵子はたいてい排卵誘発して多めに成長させて採卵しますが、全部が受精に至るわけではありません。

細胞分割を始めてからも、その様子はいろいろです。同じ2細胞、4細胞でも、細胞の大きさがきれいにそろっているものもあれば、大小不ぞろいだったり、ツブッブしたフラグメンテーション(細胞の断片化したもの)があったりします。

その中で順調に細胞分割した受精卵を子宮に戻してやるのですが(これを庇移植といいます)、きれいな状態の良好歴ほど、子宮に戻した後ちゃんと着床して妊娠する確率は高くなり、状態の悪いものほど期待はできなくなります

そしてこのよい庇に育つ卵がどれだけ採れるかは、やはり年齢が高くなるほど難しくなります。

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